2020.2.3.

処理時間を見積もる、、、

同じ仕事をしているにもかかわらず、規定時間内にきちんと終わらせられる人と、やむを得ず残業をしてしまう人……。こういう違いが出てしまうのは、どこの職場にもありがちなことです。

両者の能力やキャリアがほとんど変わらないとしても、その差が生じる原因はいくつか考えられます。その1つが、処理時間の見積もりです。

 規定時間内に与えられた仕事をこなすにあたって、当然ながら、何をどのように進めていけばきっちり終わるのかというダンドリをあらかじめつけます。これは、多くの人がやっていることで、特に目新しいことはありません。

差を分けるのは、処理時間を最少と見積もるのか、それとも幅を持たせるかどうかというところです。

規定時間内に仕事を終わらせられない人は、往々にして最少の見積もりをしています。

1つ1つの任務を最少時間で終わらせるように見積もっているので、計算上は余裕で間に合うようになっています。

この最少時間が、クセものです。理論上は最も早く仕上げられる時間のことですが、あくまでも持っている力を100%以上出せば達成可能な数字です。事前にそう見積もっていても、実際にそのとおりにできるかどうかはまた別の話です。

風邪をひいたり疲れが残っていたりすると、100%の力を出すことはできません。またクライアントからの問い合わせがあったりすると、「早く終わらせよう」と焦って、かえって長引かせることがあります。

こうして処理時間そのものが削られていきます。

ちょっとしたアクシデントがあるだけで、処理時間を最少に設定したダンドリがもろくも崩れます。

1つ狂うと焦ってしまって、あとの予定までドミノ倒しのようにバタバタと崩れかねません。最少時間を見積もるのは、「百害あって一利なし」です。

反対に、最少時間にプラスアルファの5分か10分をあらかじめ設定しておくと、全体の予定にムリがなくなります。

幅を持たせておくと、多少コンディションがよくなくても処理できますし、クライアントから問い合わせがあってもしっかり対応できます。

後ろの予定に影響が出ることを回避でき、時間内にムリなく終わらせます。

処理時間の見積もりが仕事全体に影響を及ぼすことは、意外と知られていないことです。

初めから最少の時間を見積もるのは、過ちのもと。その調整がうまくできる人は、規定時間内に仕事をきちんと終わらせています。