誰にも言えることですが、人生は「出たとこ勝負」です。それ以上でもそれ以下でもありません。
こう言うと、冷ややかな視線を浴びせる人がいるのは、百も承知です。「それでは、人生はギャンブルと同じではないですか!」と反論する人が出てくるのも、織り込んでいます。
出たとこ勝負という言葉によくない印象を持つ人はたくさんいます。それを引きずっているから、この言い方に反発してしまうようです。
確かに、自分が次にとるべき行動について、サイコロを振って決めるような人はまずいません。ほとんどの人は周到な準備をしたうえで、行動に移ります。まれに何も考えずに行き当たりばったり行動する人も、見受けられます。
そのどちらにも言えることですが、行動したあとの結果というものは、なかなか思いどおりにはならないものです。
万全な準備を重ねても想定外のことは起きるし、行き当たりばったりでも、ハプニングやアクシデントはあります(逆に、何にも考えないでやって、想定以上にうまくいくこともあり得ます)。
人生は、何が起こるかはまったく分かりません。「一寸先は闇」です。何週間、何カ月もかけた準備が、ムダになってしまうことなど、山ほどあります。
だからと言って、「準備などしなくていい」と言いたいわけではありません。準備は「しない」より「する」ほうがいいに決まっています。
すべての人に問われるのは、想定外のことが起こったときの対応力です。万全な準備をしていても、対応力がなければ、何をしていても首尾よくいきません。反対に、行き当たりばったりでも対応力があれば、それなりにうまくいくものです。
どんなことが起こるか分からないし、たとえ想定外の事態になっても、なんとか対応していく――。それは、まさに「出たとこ勝負」です。
出たとこ勝負とは、どんなことにも対応できるようにすること。それは、人生全般に求められます。
結局のところ、次に何が起こるか分からないがゆえに、出たとこ勝負をしていくしかありません。それは、準備の「ある・なし」を通じて言えます。
いつでもどこでもどんなときでも出たとこ勝負をする――。それが、人生なのです。
(朝の独り言⭐︎)
今日は、診療後に音声収録を行いました。明日は、朝から夜まで一日手術です。安心、安全に行いたく思います。