「売り上げ-コスト=利益」
単純に言ってしまえば、これが利益の公式です。これを見れば、利益を出すのがカンタンではないことが分かります。
そもそも売り上げが上がらなければ、利益を出すことはできません。
またどんなに売り上げを上げても、コストが多ければ、利益は残らなくなります。売り上げを上げると同時に、ムダなコストも下げていくことで、利益を得られるようになります。
もっとも、カンタンではないから、利益を出すために多くの人は、手っ取り早い方法を採用しようとします。それが、コストを下げること。
取引業者に仕入れ値を下げるように要求したり、人件費を下げたりすれば、コストは下がります。
これなら売り上げが横ばいでも、利益は増えます。即効性があるため、この禁断の果実に手を出す人は、ビックリするほどたくさんいます。
ここに手を染めてしまうと、別の問題が発生します。それは、スピードとクオリティーの低下。納期を守れなくなったり、質が悪化したりしがちです。
そのしわ寄せは最終的には当事者のところに来ますが、その前に犠牲者がいます。誰かと言うと、お客様。
購入する商品・サービスのクオリティーが落ちたり、手に入れるまでに時間がかかったりすると、ファンと言えるほどの人でも「もうやめよう」と思うようになります。
それは、大事なお客様を失望させること。売り上げ減に拍車をかけます。
コストを下げる→スピード・クオリティーが低下する→売り上げが下がる→利益が減る→コストを下げる→スピード・クオリティーが低下する→売り上げが下がる→利益が減る……
無闇にコストを下げると、この「負のスパイラル」に突入せざるを得なくなります。そこから抜け出すのも、また容易ではありません。
利益がダウンしてきたときに考えなければならないのは、それもたらすのは誰かということ。
答えはもちろん、お客様です。大事なお客様を犠牲にすれば、利益は限りなくゼロになります。
売り上げを上げる。同時に、ムダなコストを下げていく――。
それが、利益を出す王道です。この王道を歩ませてくれるのが、お客様なのです。