2020.3.30.

同じ満足度を得る、、、

商談や値決めなどの交渉では、お互いが合意することが目的であり、ゴールです。「合意をした」と言うと、両方が納得したと思いがちですが、必ずしもそういうわけではありません。

年齢やキャリア、あるいは資金力などに差があれば、当然ながら上下関係が発生します。力が上のほうが主導して、トクするようにまとめてしまうことは、往々にして起こりがちです。

この場合、本当に「両方が納得した」と言えるのかは、かなり疑問が残ります。力が上のほうは満足できたとしても、下のほうの人は渋々ながら納得したのかもしれません。

表面上はお互いに納得したということになっていますが、実態は優越的地位の濫用にすぎなかった……。この手の交渉は、日常茶飯事です。

お互いに納得すると言っても、そのレベルに違いがあるようでは、本当の意味での合意ではありません。それは、名ばかりの合意。

本当の合意とは、お互いが同じレベルで納得できること。片方が100%満足できたとしても、もう片方が不満を残しながら同意したというようでは、合意の名に値しません。

それは、強制的な合意。言いすぎだとしたら、不平等な合意です。

そもそもどちらかが満足し、どちらが不満を抱えているとしたら、その関係は長続きしません。いずれその合意が破棄もしくは無効になる危険をはらみます。そうなってしまえば、お互いが合意した意味がなくなります。

一方的にトクをしたほうも、合意が破棄あるいは無効になれば、最終的には不利益を被ります。そうなっても、自業自得なのですが……。

100%とまでいかなくても、こちらが80%満足したのなら、相手にもそうなってもらえるように交渉する――。そうすることで初めて、お互いが納得できるカタチで合意できます。

相手と同じレベルの満足を得る――。合意とは、そうあるべきです。
あなたは今日、誰かと合意することができましたか。お互いに同じ満足度を得ることができましたか?