何かを変えようとして行動を起こしたとしても、その変化はゆっくり表れます。これは、どんなことにも通じることです。
ただし、逆の見方もできます。変化とは、あるとき突然に訪れるもの。
表面的に見ると、変化というものはなんの前触れもなく、ある日突然、起こったように見えます。
一瞬で何かが変わったように見えるから、「こんなことになるとは思わなかった」と、多くの人はビックリします。
それはあくまでも、変化が起きた、まさにその一瞬。その一瞬の変化が起きるまでには、それなりの時間がかかっています。
徐々にゆっくり進行していって、変わるのは一瞬――。こう言うと、矛盾しているように感じる人もいそうですが、そうではありません。ゆっくり、それでいて突然起こるのが、変化というものが持つ本質です。
その象徴とも言うべきが、ダイエットです。どんなダイエット法をしたとしても、始めてすぐに何キロも体重が落ちるのはあり得ないことです。
始めて2日や3日で体重が変わることは、ほぼゼロ。「本当にこれでやせるのかな?」と疑心暗鬼になる人もいます。
効果が見えるのは、ようやく1週間くらい経ってからです。このとき1キロとか2キロやせているのが判明します。
そう、変化が起きるのは、始めてすぐではなく、1週間とかある程度時間が経ってからのこと。
このやせた1週間後の時間だけ切り取れば、変化が急に起こったことになりますが、目に見えないところではそれが徐々にゆっくり起こっていたのです。
急激な変化が起きたのは、あくまでも目に見える部分でのこと。目に見えない部分では、変化はゆっくり静かに確実に起こっています。
ダイエットで失敗する人の多くは、2日とか3日で体重が落ちていないと、「このダイエット法は合わない」「やってソンをした」と、早々に見切りをつけてしまいます。
たかだか2日とか3日しかガマンしていなかったのに、ストレスがたまっていて、やめた途端に暴飲暴食をして、かえって激太りしてしまう人は、想像以上に多くいます。
変化というものは、急激には起きないものです。往々にして早く起こそうとすると、失敗します。
逆に言えば、変化を起こしたいのなら、ゆっくりやること。焦りは禁物。時間をかけてゆっくり取り組んでいったほうが、結果として変化を起こせるものです。