仕事でもプライベートでも話をするときには、すべてが「大事なこと」ではありません。雑談のように、どうでもいいこと、とるに足らないことも話します。
比率としては、後者のほうが圧倒的に多いです。1対9、もしかしたら0・1対9・9くらいかもしれません。これは、どんな人にも言えます。
意外に思う人もいそうですが、「相手に理解してもらえない」と危惧して、大事なことだけを話そうとすると、かえって伝わらなくなります。大事なことだけを話すのは、逆効果……。そう言っても、間違いではありません。
大事なことだけを言う……。言うほうにすれば、「効率的であり、かつ理解されやすい」と思いがちですが、違います。むしろ相手に誤解される可能性が大です。
断っておきますが、相手に「理解する能力がない」から誤解されるのではありません。伝えるほうが「人が話を理解する仕組み」とその構成法を知らないだけです。
「大事なことはA、B、C。これだけは覚えておいて」
こんなふうに言われたとしても、相手にしてみれば、「なぜ大事なのか?」「どのようにすればいいのか?」が、まったく分かりません。「はぁ、そうですか」で終わってしまいます。話が右の耳から入って、左の耳を抜けていくということ。
「だから何?」「どうすればいいの?」
これが、言われたほうの心境です。口には出さなくても、表情から「まったく理解していない」ことが読みとれます。
一般的には、なぜという理由、どうすればいいのかという具体的な行動とセットにして、ものごとを理解します。これに目的が加わってもよさそうです。
「こういう目的と理由があるから、A、B、Cが大事。だからX、Y、Zのような行動をしてほしい」……
このように言うと、A、B、Cが大事だと理解してもらえます。X、Y、Zの行動をとってもらえます。このことは、相手とどんな関係にあるにしても当てはまります。
本当に大事なことだけを言わざるを得ないのは、緊急事態だけです。そうでないときに大事なことだけしか言わないのは、横着すぎるか、怠慢。
大事なことだからこそ、きちんと伝える必要があります。さまざまな手を尽くしながら、確実に伝わる工夫をしなければなりません。
(朝の独り言)
非常に大型の台風が近づいているようです。沖縄地域では被害が無いことを願います。北海道にいますと 台風の影響をあまり心配することはありませんが、それでも今までに経験ないような豪雨などがありました。
パキスタンでは、国土の3分の1が浸水とか… 確実に地球環境に変化があるのでしょう。これからの時代は何があるか分かりません。質の高い情報に基づいた対応が必要ですね。