組織の中で何かを「変えよう」とするとき、必ずと言っていいほど抵抗する人が出てきます。
表立って「反対」の声を上げなくても、非協力的だったりサボタージュしたりします。
抵抗する人たちは変える必要性を感じていないのですから、進んで協力する気はゼロ。そうかと言って、あからさまに反対すると、「足を引っ張っている」ように見られるので、表面上はおとなしくしています。
別に擁護するつもりはないですが、この人たちをとがめるのは、まったくのナンセンスです。またどんなに圧力をかけても、「柳に風」と受け流してしまうので大した効果を得られません。
本当に必要な改革なら、やり遂げなければなりません。抵抗する人にも協力してもらう必要があります。
どのようにすればこの人たちが進んでやってくるようになるのかと言うと、ある方法を用います。それは、「大変なことを自ら率先してやる」こと。
程度の差はあれ、改革そのものは生半可なものではありません。痛みを伴うこともあるし、面倒で複雑なことは多岐にわたります。
そうした大変なことは、「変えようとする人」が先頭に立ってやっていきます。おそらく無傷で終わることはありません。回復に時間がかかる傷を負うこともあれば、ダメージを受けることも多々あります。
そうした姿を見せることが、目的ではありません。傷を負いながらも大変なことに取り組むことで、有形のメリットを得られることを示すのが、本当の目的です。
たとえば、「生産性が大幅に向上した」とか「多くの人が快適で便利になった」とか「利用者が喜んでくれた」といった目に見えるメリットが誰にも明らかになると、抵抗する人たちの目の色が変わります。「変えたほうがいいのかもしれない」と思うようになります。
そういう心境の変化が起きたら、あとはこの人たちの背中を押すだけ。メリットを認識できれば、喜んで改革に協力するようになります。
何かを変えるのは、カンタンなことではありません。それを成就させるには、自ら進んで大変なことをやっていく必要があります。