「どうやったらうまくなりますか?」
何かを始めようとするときに、こんなふうに聞く人がいます。特に初めてのことをするときは勝手が分からず、何をどこから始めるのかは皆目見当がつかないものです。人に聞くのは、不安の表れでもあります。
もっとも、「これをこうやって、こうするんだよ」と、手本を示したとしても、できるはずがありません。見てすぐにできるようなことなら、聞くまでもなく本人がサッサとやっています。
どんなふうに教えるのがいいのかと言うと、結局のところ、1つに行き着きます。それは、実際にやってもらうこと。
まずは教える人が実際に「こうやる」という手本を示していきます。それを見たところで、今度は本人にやってもらう……。
見よう見まねでやっても、すぐにできるはずがありません。そんなにカンタンに身につくスキルなどないのですから……。
できるようになるには、「こうしたらうまくいくのではないか」と自分で考えて、実際にやってみること。それしかありません。
もっともらしい言葉で言うと、試行錯誤。とにかく「こうしたらうまくいくかも」と考えて、その自分なりにあれこれ試してみる。
もちろん、すぐにできるようにはなりません。
当然のことながら、何度も失敗します。「それでいい」と、あえて言います。
自分でうまくいく方法を考えて、試してみる。ダメならまたうまくいく方法を考えてやってみる……。
それを繰り返していくと、どうすればうまくいくかが徐々に分かってきます。やる度に「コツ」らしきものがつかめてきます。失敗しながら、うまくなっていきます。
何百回、何千回とやっていくと、いつしかそのコツがつかめるようになります。何回やればできるようになるかは、人それぞれ。
最初からコツを教えてもらえれば、すぐにできるようになりますが、それでは試行錯誤する力が身につきません。またスキルが本当に自分のものにはならないものです。
試行錯誤しながらやるから、コツが身につきます。確実に自分のスキルとなります。