しようと思っていなくても、してしまう……。それが、「失敗」です。
基本的に失敗は誰もがするものであり、それ自体責められるものではありません。したときは悔しいし、ときには損失が発生することもあります。
失敗は「してもいい」ものですが、1つだけ「してはいけない」ことがあります。
それは、多くの人がしていることです。何かと言うと、「帳消しにする」こと。
過去にした失敗と同じような状況になったとき、多くの人は「これで帳消しにしよう」と思うようです。目の前のことに成功すれば、過去の失敗をなかったことにするどころか、「取り返すことができる」と考えます。
これがよくないのは、ギャンブルと同じだから。負けた人はその分を次で取り返そうとして、さらに多くのお金を注ぎ込んでいきますが、結果は火を見るよりも明らか。負けが続いて、損失はますます拡大します。
過去の分を帳消しにすることができない……。これは、ギャンブルも失敗も同じ。
こう言うと、「失敗したままでいいの?」と疑問に感じる人もいそうですが、それも違います。失敗はしたままでは、やはりよくありません。どうするのがいいかと言うと、「失敗を次に活かす」こと。
してしまった失敗を「なかったこと」にすることはできませんが、そこから学ぶことはできます。「なぜ失敗したのか」「どうすればよかったのか」を分析検証して、次に同じような状況になったときに「どのように対処すればうまくいくのか」という対策を考えて、実行する――。それが、「次に活かす」ことです。
実際に過去の失敗と同じような状況になったときに、立てた対策どおりにやってみてうまくいくかどうかは分かりません。うまくいけば、分析検証、立てた対策がきちんとできていたということ。
うまくいかなければ、分析検証と対策を講じることを続けていきます。なおかつ、うまくいくまで、それを繰り返します。
こうしてやってきたことがうまくいったとき、以前の失敗を活かしたことになります。それは、帳消しにしたのではなく、自分自身がステップアップしたということ。
失敗を帳消しにしようとするのは、ギャンブルそのもの。それをしている限り、失敗を続ける底なし沼にハマっていきます。
(朝の独り言☆)
中村天風先生の言葉に、【「嫌いだと思う相手には、つとめて親切にし、やさしくするような気持に仕向ける」ということよ】というのがあります。
どんな場合でも、他人を嫌いになる人にならないこと。人間同士の間で生きている以上、いつも互いに解け合っていける温かい気分がなくてはいけないと言っています。誰もが一瞬「むっ」とすることもあるかもしれませんが、全てのご縁に意味あると考えて、一つ一つの人間関係を大切にしましょう。