「あなたは、敏感ですか。それとも鈍感ですか?」
こんなふうに聞いたら、とまどう人が多そうです。「鈍感」とは答えにくいので、「どちらかと言うと、敏感です」という微妙な答え方をする人もいるかもしれません。
確かにデリケートさに欠けています。聞き方が鈍感すぎています。それでは、こう言い換えたらどうでしょうか。今度はハッキリ答えてくれるものと期待しています、
「あなたは、自分自身の成長に敏感ですか。それとも鈍感ですか?」
今度は言葉に詰まる人も多いかもしれません。胸を張って「敏感です」と言ってもらいたいところですが、それが難しいとすれば、とても残念なことです。
ここまで来てなんですが、答えにくいことを聞いていることは承知しています。なぜなら自分自身が成長していることはなかなか実感しいくいから……。
多くの人は、なんらかの結果を出したときに、自分自身の成長を実感します。
たとえば、試験に合格したとかコンペを勝ち抜いたとか、誰の目にも明らかな結果を出したときは「よく頑張ったなぁ」と、自分自身の成長を肌で感じるものです。ほかの人に向かって「成長したよ!」と、胸を張ることもできます。
もっとも、そういう目に見える結果を出すのは頻繁にあるわけではありません。1年とか半年に1度、多くても四半期に1度くらいでしょうか。そんなスパンでしか実感できないとなると、「敏感」と言うのも腰が引けてきます。
当たり前ですが、結果を出したときだけが「成長」しているのではありません。成長とは、いつでもどこでもどんなときでもできるもの。まさに今この瞬間に成長している人も想像以上にたくさんいます。
難を言えば、その成長は目では見ることができないほど小さなものであること。0・0001ミリとか0・00001ミリくらい小さい成長――。
それは、私たちが日常的にしているものです。その小さな成長に気づくのは難しいかと言えば、そんなこともありません。あなた自身が、敏感になれば、しっかり実感できます。
「ああ、今日も0・0001ミリほど成長できた……」
そんなふうに実感しながら1日を締めくくれば、毎日が充実します。「明日も0・0001ミリ成長できるように頑張ろう」と、希望に胸を膨らませながら、眠りに就くことができるはずです。