布石とは、将来、うまくいくように、さまざまな手立てを講じること。ビジネスにおいては、特にそれをするかしないかによって、のちのち大きな差が生じるものです。
やればいい結果につながることは多いですが、なんでもいいわけではありません。必要なことをしっかりやるのが、布石を打つということ。
手あたり次第にやるのは、たんに節操がないだけ。やったりやらなかったりするのは、気まぐれ。
これでは、布石を打ったことにはなりません。「将来、うまくいく」と期待してやっても、結果は惨憺たるものに終わります。
打った布石が将来、活きるためには、条件があります。それはただ1つですが、意外と知らないでいる人がたくさんいます。
その条件とは、ビジョンがあること。「こういうふうにしていきたい/なっている」と具体的に描かれた絵図があれば、しっかり布石を打つことができます。また打った布石が、のちのち活きるようになります。
将来のことを考えて、いろいろな手立てを講じるとしても、それが本当に役立つのかどうかは、布石を打った段階では分からないものです。活かせるか活かせないかは、あとにならければ分かりません。
ムダに終わることも、十分にあり得ます。あるいは奏功したものもあれば、「意味がなかった」と思えるものも出てきます。
布石を打つにしても、「百発百中」とはいきません。だからと言って、何もしないでいては、将来、うまくいくこともなくなります。
少しでも布石の歩留まりをよくするには、ビジョンが必要になってきます。「こういうふうにしていきたい/なっている」という具体的な絵図を描ければ、行動が明確になります。
「これをすればいい」「大事なのはこれだ」「これは外せない」……
行動そのものがピンポイントになるので、打つ布石にムダがなくなります。必然的に「しっかりやろう」という意識になっていきます。
ビジョンなき布石は、不毛です。ビジョンがあれば、安心して布石を打つことができるようになります。