社運を賭けた大事業や、ライフワークと言ってもいいことは、一朝一夕には実現するものではありません。取り組むものごとにもよりますが、実現するまでには長い年月を要します。
その事業やライフワークが実現させるために必要なものの1つが、「構想」です。構想があったから、どんなに時間がかかっても最後まで取り組むことができます。規模が大きくなればなるほど、それは必要になります。
意外に思う人もいそうですが、構想とは本質的に変わるものです。ずっと同じなら、実現にまで至っていません。事業やライフワークが実現したということは、図らずも構想がさまざまに変化したということです。
構想とは、これからやろうとすることの基本的な考えやビジョンなどをまとめたもの。言ってみれば、事業やライフワークの原点です。
そう聞くと、「変わってはいけないのでは?」と思う人が多そうですが、違います。変わるからこそ、実現に至ります。
こう言うと、混乱しそうなので、言い直します。構想には、変わっていいものと変わらなくてはいけないものの両方があります。
前者は、その事業やライフワークに対する思いや理念。これは、変わってはなりません。もし変わってしまったら、まったく別のものが実現することになります。
後者は、コストやスケジュール、予算といったもの。顧客ニーズも含まれます。もともと変動的なものなので、臨機応変に対処していくべきものです。
どんなことをするにせよ、最初に構想したときに比べれば、時代も技術も大きく変わっています。
技術の進化によって、かつてはできなかったことも容易に遂行できてしまうこともあります。そうしたことはドンドン取り入れるべきです。
変えてはいいことはよりいいものに改める――。そうしたバージョンアップがあるからこそ、構想は実現します。
逆に何1つ変えてはいけないという制約をつけてしまうと、日の目を見なくなってしまいます。バージョンアップさせるから、時間がかかっても、構想は実現します。
あなたは今日、どんな構想を持ちましたか。それをどのようにバージョンアップさせていきますか?