2020.7.14.

必要最低限を揃える、、、

 商品開発や異業種への進出など、新規のプロジェクトを始める前は、何が必要で何が不要かは、なかなか分からないものです。ゼロからのスタートなので、過去にやってきたことが通用するかどうかは、なんとも言えません。
「たぶんこれは必要だよね」「こういうのもいるかな」「あれがないと困るよね」……
いるかいらないかは、実際にそういう状況になってみないと分からないものです。それは、ヒト・モノ・カネ・情報のすべてについて言えます。
必要なときに「ないと困る」から、どうしてもいらないものまで揃えがちです。それは、「失敗したくない」という気持ちの裏返し。
「ないと困る」と揃えてしまうことで、重い荷物を抱えたまま移動せざるを得なくなります。
何をするにしてもスピードが落ちて、方向転換や軌道修正にいちいち時間がかかりすぎてしまい、チャレンジ精神も失われかねません。
せっかく新しいことをやるのに、これではハンディを抱えるようなもの。
時代のスピードについていけず、艱難辛苦の末に完成させたとしても、時代のピントとはズレたものになりがちです。
それは、必要以上にヒト・モノ・カネ・情報を揃えてしまったから。新しいことをやるのに必要なスピードも時代の先を行く旺盛なチャレンジ精神も失ってしまった結果です。
「必要(ないと困る)かもしれないから揃える」となると、キリがありません。またいつまで経っても、スタートできなくなります。
 何が必要で、何が不要かなど、やる前にはまったく分かりません。必要なものはその都度揃えればいいし、どうしても手に入らなければ代わりのものを探して、それを流用していけばいいのです。
 必要最低限を揃えて、その都度なんとかやり繰りする……。これは無計画でその場しのぎのように見えますが、スピードは落ちないし、方向転換や軌道修正も容易にできます。かえって効率的です。
 必要なものがなくても、ないなりになんとかなります。「ないものをなんとかする工夫」が仕事をする人にとっては、腕の見せどころ。
必要最低限でやり繰りするほうが、結果としてスピーディーかつ臨機応変にものごとに対処できるようになります。