思考と行動は、人間にとって車の両輪のようなもの。どちらか1つだけしか機能しなければ、いつまでも同じところをグルグル回ることになります。せっかくやる気があっても、残念な結果に終わります。
思考と行動ーー。この2つについては、「前者が先で、後者があと」のような印象があります。
確かに、思考があるから、それに基づいた行動がなされます。その意味では、思考が先なのは事実です。
もっとも、思考は変えたり熟成するのに時間がかかります。思考を優位にしていると、行動が遅れがちになります。机上の空論を唱えるのが、このタイプです。
なぜ思考優位になってしまうのかと言うと、限界がないから。思考は、無限ーー。
アタマの中ではどんなことも考えられます。また「不可能」もありません。
「もっと精度を高めたほうがいい」「これを徹底的にやっていこう」「究極までやってみよう」……
そんなふうに思考が展開していったら、キリがありません。無限の思考は、どこまでも突き進みます。
こうなると、行動は何もできずにいます。思考がストップして、自分の出番が来るのをひたすら待ち続けます。
思考を無限に展開させるのは、楽しいことです。アタマの中で「あんなこともできる」「こういうこともやりたいな」と、アイデアがポンポン出てくるのですから、楽しいに決まっています。
とは言え、それは、砂上の楼閣。どんなに素晴らしいアイデアであっても、行動しない限り、1つも実現しません。思考を現実世界で具体化できるのは、行動だけです。
行動の力を借りなければ、思考はなんの役に立つこともできません。その意味では、不完全な存在です。
反対に、行動優位だと、間違った方向に進んだり、同じことを延々と繰り返したりする恐れがあります。方向を変えたり、レベルアップを促したりするのが、思考です。
思考の力を借りなければ、行動は結果を出すに至りません。その意味では、不完全な存在です。
その思考と行動がともに手を取り合ったとき、完全な存在になります。お互いが相手のよさを引き出し、かつ弱点を補い合って、結果を出すことができます。
思考と行動は、両輪ーー。結果を出すには、どちらも必要です。