春から夏、秋から冬――。年に2回は衣替えをします。
同じように、定期的に衣替えしたほうがいいものがあります。それは、なんでしょうか。
いろいろな答えが考えられますが、絶対にしたほうがいいものを挙げます。それは、成功体験。
成功体験を持っているということは、1回はうまくいったということ。それは、否定できない事実です。
成功体験があると、自信につながります。実現が難しいことにチャレンジする精神を培養してくれます。
成功体験を持つと、行動する自分になれます。努力することを惜しまなくなります。
いいことはたくさんありますが、その半面、マイナスもあります。それは、寿命が短いこと。
どんなものにも寿命はありますが、成功体験には顕著です。時代の変化が激しくなればなるほど、線香花火のようにはかない命になっていきます。
寿命を迎えているにもかかわらず、後生大事に抱えていたら、時代に振り落とされてしまうし、目も当てられない結果になります。成功体験にしがみついていたら、悲惨なことになりかねません。
そうならないために、衣替えのように成功体験を定期的に脱ぎ捨てていきます。時代とズレている、あるいは努力に見合った結果が出ていないとすれば、まさにそのタイミング。
衣替えするかのように、もはや古くなっている成功体験に別れを告げます。人によっては、アイデンティティーの一部にもなっているので、つらく悲しく感じることもあるかもしれません。
それは、必然です。成長を続けていくためには、避けて通れないものです。
むしろ成長を続けるために、自ら積極的に別れを告げなければなりません。その真実は胸に刻んでおくべきです。
いつまでも身につけるものではない。いつまでも通用するものではない……。成功体験とは、そういうものです。