やってもやっても終わらない……。多忙を極めて次に大事な用事が控えているときにこういう状態になると、焦りからイライラしたりモヤモヤしたりしがちです。あなたにも、身に覚えがあるかもしれません。
「あとどれだけやればいいのだろう?」
焦りに疲労感が加わって、だんだんと目の前のことに対して「もうやりなくない」という気持ちが、顔を出すようになります。「早く終わらせたい」と思うのは、自然な反応ですが、時間がないから手短に済ませるのは好ましいことではありません。
「早く終わらせたい」が行き着く先は、手抜きです。プロセスを思いきり端折って、半ば強引に終わらせてしまいます。本人は「終えたつもり」になっていますが、違います。やるべきことをやらないで済ませただけ。
やっていないことがいくつもあるのに、それを「これは必要ない」と勝手に判断して放置したまま。あたかも「終わった」ように体裁を整えて、その気になっています。
「やっと終わった」と、ホッとひと息ついているのかもしれませんが、「本当にこれでいいのだろうか」というためらいも内心あります。もちろん、いいわけがありません。やるべきことをやらないで済ませているのですから……。
やるべきことをやらないで放置していたら、借金の利息がドンドン膨らむように、あとあと大変になるだけです。それは、ツケをあと回しにすること。いずれやり直す羽目になります。
忙しいときにやり直すのは、もっと大変です。結局のところ、やるべきことは、どんなに時間がかかっても、きちんと取り組み処理する以外にありません。
もし別の「どうしても外せない」大事な用事が入っているのに目の前のことを処理しなければならないとしたら、対処法は2つあります。
1つは、ともかくギリギリまでやって、いったん中断、その大事な用事が済んでから再び取り組む。もう1つは、大事な用事に間に合うように早めに取り組んで、やるべきことを終わらせてしまう。
選択肢は、この2つのみ。どちらにするのかは、そのときどきの状況次第。
目の前のやるべきことをやらないでササッと手短に済ませてしまうのは、選択肢にすらなり得ません。
それを選択してしまったら、自分自身があとあととても苦しむという結末を迎えます。