人生において「持っていたほうがいい」ものが、いくつかあります。それは人によって違うものです。喜劇王チャールズ・チャップリンは、こんなふうに言っています。
「人生に必要なのは、勇気と想像力と、ほんの少しのお金」
これは、多くの人が同意する発言です。意外と多くの人が持てずにいるものです(少なくないお金を持っている人は、たくさんいるかもしれません)。
これ以外に持っていたほうがいいものをあえて挙げるとすれば、1つあります。それは、「ロマン」です。
ロマンは誰もが今すぐに持てるものです。持っていてもなんの邪魔にもなりません。むしろちょっとでも持っていると、それだけで人生を豊かにしてくれます。
何かを求める甘い気持ち。言い換えれば、「こうありたい」という憧れ――。それがロマンです。
それは、願望とも夢とも違います。もっとあいまいとした、それでいて根源的かつ本能に根ざした気持ちです。
たとえば、海が好きな人が、「自分の船で世界を一周してみたい」というロマンを持っているとします。
現実にはそれはとても危険なことですし、実現するには知識・スキル・経験のみならず、体力や資金力を兼ね備えなければなりません。
自分の中でも「できない」という冷めた気持ちと、「実現したい」という熱い気持ちがない交ぜになっている……。ロマンには、そんな一面があります。
「叶わない」「実現しない」のであれば、持っていても仕方ないのかと言うと、それは違います。実際には、近海をクルーズするだけだとしても、そのロマンがあるからこそ、世知辛い世の中を生きていく原動力とすることができます。
もしそのロマンがなければ、その人は無味乾燥な人生を送ることになってしまいます。
ロマンがあるからこそ、充実した日々を過ごすことができます。また「いつかチャンスがあれば……」と虎視眈々とそれを実現する機会をうかがっています。
そのチャンスが来るかどうかは分からないとしても、「ある」と思うことが生きるエネルギーになります。そのエネルギーをつくるのは、やはり素敵なことです。
あなたは、どんなロマンを持っていますか。それを、明日を生きるエネルギーとしていますか?