うまくいかないときに、これまでやってきたことをガラリと変える。前例がないことでも、素早く対応して処理してしまう――。こういう人は、「柔軟性がある」と言われます。あなたの周りにも、このタイプが何人かいるはずです。
柔軟性とはよく聞くフレーズですが、抽象的で実態がないことから、どうすれば身につけられるのかはピンと来ないところがあります。それでいて、どこか「特別な経験がないと身につけられない」というイメージもついて回っています。
こう言うと、一朝一夕に身につけられないと思われがちですが、そんなこともありません。誰でもすぐにできるし、意識していれば、割合に速く身につくようになります。ポイントを挙げるとすれば、縛られないこと。どういうことか説明します。
これまでやってきたことを変えられない人。前例にないことに取り組めない人……。
このタイプは、あることに縛られています。その縛りを解けないから、「柔軟性」を持てずにいます。
縛りは大きく言うと、３つあります。そのうちの１つでもこだわってしまうと、柔軟性のカケラも持つことができなくなります。
１つ目は、他者からの評価。自分自身がよく評価されようと思っていると、リスクのある行動をとれなくなります。リスクのある行動の代表が、大きな変更であり、前例のないことをすること。常に他社からいい評価を得ようとすると、どうしても無難な対応を余儀なくされていき、柔軟性もなくなってきます。
２つ目は、守備範囲。これは、自分自身が理解できることや知っていること。ここに縛られると、自分の理解や知識の及ばないことには手を出そうとしなくなるので、柔軟性のある対応ができなくなります。
３つ目は、決まりごと。これは、常識や慣習、内輪の論理などが該当します。「こうしなければならない」と多くの人が信じ込んでいることを愚直に守ってると、想定内のことなら対処できても、まったく想像もしていなかった未知の事態には対応できません。決まりごとに縛られていると、柔軟性とは無縁になっていきます。
こう見ていくと、自分自身を縛りから解き放すだけで柔軟性を持てるようになることが分かります。柔軟性がある人は、なんの縛りもない人――。そう言っても、過言ではありません。
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