「彼はこういうところがよくないな」「彼女はこれができていない」「まだまだダメだな」……
他人のよくないところや未熟なところばかりを見て、マイナスの評価をつけてしまう……。いわゆる「減点主義」の人は、どこの組織にもいます。もしかしたら、あなたもその1人かもしれません。
減点主義でマイナスの評価をされた人が伸びるかと言えば、そんなこともありません。減点されたことで奮起する人もいますが、それは少数です。
ほとんどの人は、「よくない」と言われたところを気にしてとらわれてしまいます。直すことができたとしても、本来持っているポテンシャルを開花させられず、小さくまとまってしまいます。
もっとも、減点主義が全面的に悪いわけでもありません。それが、有効に機能する場合もあります。
たとえば、同じレベルにある人の中から1人とか少数を選ぶ場合は、マイナスが少ないほうに決めるという選択はあってもいいです。
極めて限定的にしか機能しないのが、減点主義です。
従って、レベルが違う人がたくさんいる中で、減点主義を用いるのは、まったく意味がありません。
もしそれをすると、レベルが高い人の評価が高くなり、低い人の評価は下がる一方です。
それなのになぜ減点主義がまだ採用されているのかと言うと、ハッキリ言って、評価するのがラクでカンタンだからです。
いいところを見つけるより、よくないところを探すほうがカンタンです。アラ探しをするのなら、誰でもできます。よくないところは、誰が見てもマイナスに映ります(「マイナスをプラスだ」と言う人はそれほどいないものです)。
評価に一定の公平性がある……。それが、減点主義がいまだに採用される理由です。
とは言え、減点主義では人が伸びないのも事実です。もしどうしても採用せざるを得ないのなら、こうすべきです。
欠点を矯正するアドバイスをする。欠点を直すと、こんなによくなる――。そうしたレポートをつけることは、減点主義には必要不可欠です。
(朝の独り言☆)
今年は、これから出版4冊、他に3講演、3セミナーなどが決まっています。そのため、打ち合わせなどスケジュールがびっしりですが、皆さん、他にもあると思います。楽しみにしていて下さい。