「勝負を分けたのは紙一重の差だった」……
スポーツやゲームなどで、よくこのような表現がなされることがあります。両方とも実力伯仲。お互いにベストを尽くしているので、どちらが勝つかは誰にも分かりません。
当事者たちは、もちろん、勝つつもりで挑んではいますが、なかなか手応えをつかめずにいます。一瞬の気の緩みが命とりになり得ます。
息詰まる攻防が、ずっと続きます。どちらが勝つかは、まったく読めません。
それでも最後は、決着がつきます。点数にすれば、51対49といったところ。まさに紙一重。
負けたほうにすれば、いつの間にか勝負がついていて、「あれ、もう終わってしまったのか?」という不思議な感覚に襲われています。まるでキツネにつままれたかのようです。
紙一重と言うくらいですから、差はほんのわずか。目には見えないほどの小さい違いです。
そのわずかな差が勝負を左右したとしたら、やはり見過ごすわけにはいきません。
そうなった原因を徹底的に分析して対策を立てる必要があります。そうしなければ、次回も紙一重の差で破れるか、あるいはもっと大差をつけられしまうことになります。
紙一重の差は、目には見えません。数値化されているわけではないので、ほんのちょっとの差にしか感じられませんが、実際はかなりの開きがあります。
表面上は、実力伯仲。ただし、目に見えない部分では、圧倒的とも言えるくらいの差があります。
それは、水面下の研鑽した部分。努力のあととも言えます。
その水面下の差が、周りや負けたほうからは見えないので、「ほんのちょっとの差」に映っていますが、実態は気が遠くなるほど離れています。
それに気づかない限り、ずっと紙一重の差で敗れることになります。
逆に、気づけば差があることを認識して、水面下で研鑽するようになります。圧倒的な差を少しでも縮めるように努力します。
紙一重ほど開きのあるものはない……。このことを知っている人は、ごく少数です。