自分自身の持っている力をすべて出したにもかかわらず、結果が伴わないと、多くの人はガッカリします。悔しくて眠れない日々を過ごす人もいそうです。
次こそは「結果を出そう」と、それまで以上に頑張る方向に向かえばいいですが、そういう人ばかりではありません。なかには「あんなにやったのに、結果が出ないなんて!」と、嫌気がさして、やめてしまう人もいます。
「ここでやめるのはもったいないよ」と引き止めても、残念ながら本人には響きません。こういう人を責めるつもりはないですが、本人が気づいていないことを指摘しておきます。それは、「結果を求める気持ちがあまりにも強すぎる」ことです。
全力を尽くせば、「必ず結果が出る」ものでもありません。「そんなことは分かっている!」と反論しそうですが、本当に理解しているかどうかは怪しいものです。
全力を尽くしたのに、結果が出ないのは、その人に能力や適性がないからではありません。また「運」や「偶然」ということもないです。
本当のことを言えば、その人以上に全力を尽くした人がいるからです。こう言うと、胸をえぐられるような気持ちになる人もいるかもしれません。
本人は全力を尽くして100をやったとしても、それ以上に頑張って101とか102、あるいは110までやった人がいれば、当然ながら、結果はついてきません。一番頑張った人が結果を手に入れる――。世の中とは、そういうものです。
その事実に目を背けて、「あんなにやったのに、結果が出ないなんて!」と、やめてしまうのは、欲が強すぎます。こういうタイプは、少なくありません。
もう1つ気づいていないことを言うと、この人は結果こそ手にしていませんが、代わりに得たものがあります。それは、改善点や課題です。
ハッキリ言いますが、これらは全力を尽くしてやらなければ、得られないものです。中途半端にやっていても、そうした改善点や課題は手に入りません。
それらは、全力を尽くしたからこそ得られるものです。それらを克服することそのものが、「のびしろ」になっていきます。
全力を尽くしたのに結果が出ないのは、悔しいことです。それでも悪いことではありません。結果以上に大切なものを手にできるのですから……。
それでもあなたは、「あんなにやったのに、結果が出ないなんて、もうやめる!」と言いますか?