できているようでいて、まったくできていないこと……。そういうものはたくさんありますが、その代表例が「自分のアタマで考える」ことです。
こう言うと、「これでもちゃんと考えています」と、多くの人は反論します。確かにあなた自身は、ちゃんと考えようとしています。
しかしながら、それは「考えている」のではありません。厳しいことを言うようですが、「考えているつもり」になっているだけです。
考えていると考えているつもりになっている。この両者の溝は、あまりにも深くいものがあります。
そもそも多くの人は、どうやって考えたらいいのか分からないでいます。
「こうやって考えたらいい」と教えてくれる人もいないし、聞く人もいません。仕方なく自分であれこれやってみて、いつの間にか自己流になってしまっている……。それが、実態です。
自己流でもちゃんと考えられればいいですが、残念ながら、多くの人は考えるプロセスをきちんと踏んでいません。
プロセスを踏んでいないがために、せっかく考えようとしているのに、いい考えが浮かばなかったり、こうすべきだという決断ができなかったりします。
「考えているつもり」になっているのですから、ある意味では、それも当然です。
考えるプロセスは、実にシンプルです。それは、3つのことを順に追っていくだけです。その3つとは、「SVO」です。
Sとは、主語です。まずは「誰が」を明確にしていきます。私が/あなたが/彼(彼女)が/弊社(営業部)がといった行動する主体をハッキリさせます。
日本語は主語を必要としない言語ですが、そのことが「考えているつもり」にしてしまう大きな原因となっています。主語が決まれば、答えは半分出たようなものです。
Vとは、述語です。何かをする/しない、言い換えれば、YES/NOをハッキリさせます。ここは、決断のプロセスです。述語が決まれば、答えは8割方出たようなものです。
Oとは、目的語です。ここで行動の具体的な中身を決めていきます。私が/あなたが/彼(彼女)が/弊社(営業部)する/ことはどんなことなのかを、できるだけ緻密にその中身を決めていきます。
「しない」と決めたとしても、それで終わりということはありません。代案を最初のSに戻って、次にV→Oとたどって、決めていきます。
このようにアタマの中にSVOの軸をつくって、順を追って決めていけば、誰でも考えられるようになります。自分のアタマで考えるのは、そんなに難しいことではありません。
慣れれば、誰でもすぐにできるようになります。
(朝の独り言☆)
仙台でバイオインテグレーション学会特別講演では、長崎やオークランドからも参加してくれました。とても充実した時間を、過ごすことが出来ました。