世の中は、たくさんのモノであふれています。生活必需品から嗜好品、あるいは趣味の世界のものまで……。
その1つ1つの商品は、需要と供給によって取引されています。需要が多ければ供給が増やされることになります。需要が少なければ、逆に供給は減らされます。
生活必需品であれば、どこでもほぼ一定の需要があります。どれくらい供給をすればいいのか読むのは、比較的カンタンです。
それ以外の商品の場合、需要をきちんと読めるかどうかは死活問題になってきます。「これくらいの需要があるだろう」と当てずっぽうで供給したら、途端に在庫を大量に抱えることになります。
供給過多で窮地に陥ることも、なきにしもあらず。
需要をある程度正確に把握することは、何よりも大事です。それを可能にするのが、マーケティングです。
このマーケティングは、ヒトにも応用できます。持っている価値を最大化するためにも、自分自身を商品に見立てる必要があります。
自分自身が培ってきた知識・スキル・経験――。それが、あなた自身の「商品としての特性」です。似たような特性を持つ人がいるとしても、おそらく唯一無二。
その特性を活かせるところ――。それが、あなたが就くべき仕事です。
逆に、そのさまざまな特性を求めているのが、組織です。
自分自身の特性を活かせて、それを求めている組織で仕事をすることが、あなたという1人の人間の価値を最大化することにつながります。
当たり前ですが、自分自身が持っている特性を活かせない組織にいれば、宝の持ち腐れになりかねません。それは、あなたと組織の両者において不幸なことです。
持っている特性を最大限に活かすためにも、自分自身を商品化していきます。
それによって「この人の知識・スキル・経験はわが社が求めていたものだ」「この人の知識・スキル・経験はわが社で活かすことができないな」と、相手のほうが判断しやすくなります。
自分自身を商品化するなんて言うと、「私はモノではない!」と反発する人もいそうですが、それは違います。
むしろ自分自身を活かすためにすべきことです。あなたなら、自分自身という商品をどのようにマーケティングしますか?