やりたいことがあるとき、たいていはそれを進めていく環境は整ってはいないものです。「知識がない」「スキルがない」「経験がない」という三重苦の状態からの出発を余儀なくされます。
もしかしたら、今のあなたがそういう状況にあるのかもしれません。それでも、心配無用です。
何かが「ない」としても、それは途中から整えていけばいいだけです。
全部が揃ってから始めるとしたら、いつになるか分からないし、極端なことを言えば、そのときにはもうやりたいことに興味を失っていることもあり得ます。
やりたいことがあるなら、見切り発車するくらいがちょうどいい――。そう言っても、過言ではありません。
「見切り発車」は、無責任とか無謀いうことではありません。そうしてもいい理由は、ちゃんとあります。
それは、始めるにあたって「本当に必要なものが何か」が分からないからです。やりたいことを進めていくとしても、必要なものは人によって異なります。
やってみるから、今の自分には「知識が足りない」とか「スキルが欠けている」とか「経験が不足している」と理解できるものです。その足りないものを重点的に身につけていきます。
知識・スキル・経験のすべてが揃うまで待つとしたら、どれだけの時間を必要とするでしょうか……。考えただけでも、気が遠くなります。
やっていくうちに、身につくものもあります。やっていくうちに、不要なものも分かってきます。
そうして本当に必要なものだけを身につけて、なおかつ続けていけば、いつの間にか、やりたいことが実現できているものです。それは、不思議でもなんでもありません。極めて理にかなったことです。
途中で「あれがない」「これがない」と気づいたとしても、慌てなくても大丈夫。それは、本当に必要なものが何かを理解できたことだから……。
それを身につけていけば、困ることもなくなります。見切り発車したから、その必要なものが何かを知ることができたのです。