2021.10.7.

都合のいい願望を持たない、、、

子どものころ、遠足や運動会の前日に、「明日晴れますように」という願いを込めて、「てるてる坊主」をつくった人はたくさんいそうです。あなたもそういう経験をしたかもしれませんが、翌日、晴れたとしても、てるてる坊主のおかげではないです。

「明日晴れますように」という子どもの淡い願望どおりになったのは、喜ばしいことです。もっとも、他愛のない子どものケースは別として、願望というものはそのほとんどのケースにおいて、都合がいいものです。「〇〇になるといいなぁ」と大人が日常的に都合のいいことを願うのは、決してホメられたものではありません。

たとえば、商談で新規顧客にアプローチして、「前向きに検討します」と言われて、かなりの好感触だったとき。「契約が取れるといいなぁ」と淡い願望を持つのは勝手ですが、「捕らぬ狸の皮算用」です。

契約するかどうかを決めるのは、あくまでも顧客。提案された商品・サービスを導入する価値があれば、「取引しましょう」と先方から言ってきます。前向きに検討するはずの顧客のほうから連絡が来ないから、都合のいい願望を持つしかなくなります。

願望とは、不安の裏返し。あるいは努力不足、行動不足が露呈したもの。そう言ったとしても、的外れではありません。

もし顧客に商品・サービスのよさやメリットをアピールし、「導入するべきです」という強いアピールができたのであれば、淡い願望なんて持ちません。だからと言って、神頼みするわけでもないです。ただ相手の反応をじっと待っています。

分かりやすい表現をすれば、「人事を尽くして天命を待つ」になります。待っている間にできることは、顧客にお礼と感謝の手紙を書くくらい。その手紙をもらったころには、「うちで導入します」と、先方から連絡をくれるものです。

やろうと思っていたのに、力を発揮できなかった。準備が間に合わず、後手に回ってしまった……。こういう不完全燃焼のときに、人は「〇〇になるといいなぁ」と願うようになります。なぜなら願望するしかほかにすることがないから……。

自分のできることをすべてやったときには、願望など持ちません。うまくいくことを信じられるから、じっくり待つことができます。

逆に言うと、じっと待てないから「〇〇になるといいなぁ」と願うしかなくなるということ。都合のいい願望は、持つものではありません。

(朝の独り言☆)
先日、杉岡先生から「おうちストレスをためない習慣」という新刊を献本してもらいました。あらためてストレスがもたらす身体への影響の多いことに驚きます。ストレスからの医学的な問題の解説と共に解決策も書かれていて、とても勉強になりました。とくにコロナで在宅での仕事の方も多いと思います。そのような方にはお勧めします。