やるべきことを全力でやる。自分のためだけでなく、人のためになることも分け隔てなくやる……。
このように毎日一生懸命頑張るのが、「あなた」という人です。そのことは周りの人すべてが分かっています。
たとえ結果が「芳しくなさそうだ」と事前に分かっていても、あなた自身は頑張るのをやめることはありません。玉砕覚悟で、持っている力はすべて出そうとします。
「結果が分かっている」からと言って、頑張らないのは卑怯なこと……。あなた自身は、そう思っています。頑張らないのは、あなた自身が許せないことです。
ときに周りの人が、「そんなに頑張らなくてもいいよ」と、声をかけることもあります。「ありがとう」と言って、忠告を聞き入れるかのようにふるまいますが、実態は逆です。
頑張ることをやめたら、あなた自身が「レーゾンデートル」を失ったような気になってしまいます。あなたから「頑張り」を奪ってしまったら、何も残らない……。そう言っても、大げさではないような気がします。
ある意味では、あなたは「頑張らない恐怖症」にかかっているのかもしれません。
頑張らないと、成長が止まってしまうとか、誰かに追い抜かれてしまうという不安を解消するために頑張り続けているのではないでしょうか。泳ぎ続けていないと死んでしまうマグロのように……。
そんなあなたにふさわしい言葉を贈るとしたら、これになるでしょうか。それは、「休養するのを頑張ったらいいですよ」です。
頑張り続けたいのですから、ムリしてやめることはありません。好きなだけ頑張るのが、あなたのためにもなります。その一方で、頑張り続けると、疲労が蓄積したり感性が鈍ったりしますから、それもいいこととは言えません。
あなたのような人にこそ、休養は必要。その休養を「頑張ってみる」のは、あなたにとってマイナスにはなるどころか、プラスになります。
疲れがとれて感性が磨かれて、なおかつ頑張るのもやめない――。まさに「一石二鳥」の効果があります。
あなたは認めたくないようですが、人には「頑張れないとき」もあります。そのときは発想を転換して、しっかり休養できるように頑張るのがいいかもしれません。
