10人いれば、10人全員。100人いれば、100人すべて。1000人いれば、1000人もろとも――。これからの組織においては、すべての人が活躍できるようになっていなければなりません。
言葉を換えれば、それは「1人1人が戦力になる」こと。全員が戦力となる組織は強いし、状況がどんなに変わっていっても生き残ることができます。
こう言うと、「キレイゴト」のように感じる人もいそうです。確かにこれまではキレイゴト。永遠に実現できないでいた建前です。
俗に「80対20の法則」と言われるように、上位2割の人が全体の8割の売り上げを稼ぐことで、組織は維持され発展してきました。
残り8割の人は、「いてもいなくてもいい存在にすぎなかった」と言っても、言いすぎではありません。
「残念ながら」と言うべきか、「幸か不幸か」と言ったほうがいいのか、2割の人だけが稼ぐようでは、もうこれからは組織が発展することも維持することもできなくなります。
上位2割の人はこれまで同様に稼いでもらって、残り8割の人も以前よりも結果を出してもらわなければなりません。
全員が稼いでいく。あるいは全員が活躍する――。これまでキレイゴトのように見なされていたことが「普通」の時代になっています。
活躍できない人が1人でもいれば、その組織は維持も発展もできなくなっていきます。
もはや「活躍できない=戦力にならない」人を抱えている余裕はどこにもありません。それは、どんな組織にも共通して言えます。
こう言うと、活躍できない人は「リストラされてしまう」ととらえる人がいそうですが、そんな安易な手段はとるべきではありません。
たとえ活躍できない人がいるとしても、上位2割のようになる必要は難しいし、求めるのも酷です。
上位の人のように活躍できないのは仕方ないですが、持っている力を最大限に発揮してもらうことはできます。
活躍できていない=戦力になっていないのは、持っている力をすべて発揮できていないから……。
その人の力が最大限発揮できるようなるような機会や場を与えていけば、活躍できるようになります。
活躍できない人がいるような組織が存在していることがおかしいし、間違っています。1人1人が持っている力を発揮できるようにするのは、ごく当たり前のことです。