目の前にやることがたくさんあって、どれから手をつけていいか分からない。そんなとき、こんな考えがよぎることがあります。
「大きなことを最初にやったほうが早く終わる」
その考え方は悪くはないですが、決してホメられたものではありません。たんにラクをしたいだけです。
ものごとはなんでもそうですが、いきなり大きなことから始めても、うまくはいかないものです。それは、やるほうに「能力が欠けている」からではありません。
そもそも大きなものは、無数の小さなもので構成されています。言うなれば、小さなものの集合体です。決してそれ単独で成り立っているわけではありません。
大きなものを手がけたり処理したりするには、時間も手間もかかります。またプロセスが、無数にあります。
そのプロセスを1つ1つきちんとフォローしていく。つまり、小さなことをコツコツとやっていくから、大きなことが処理されるようになります。
たとえば、大きなビルの解体は、以前は一瞬にして爆発処理するやり方をしていましたが、今は違います。そのほうが速いしラクですが、かなりの危険性を伴います。
今では時間をかけて何フロアずつか解体して処理するようになっています。主流派、環境や安全を配慮するやり方です。
大きなことを早くすぐにできるようになると、自分の能力がアップしたような気になるものです。周囲からも称賛を集めるようになります。
派手だし目立つから、どうしても大きなことをやりたくなります。ただし、1度大きなことをやって味を占めると、次からもそれを追求するようになります。
大きなことを目指すのは、悪いことではありません。目指してもいいですが、同時に小さなことを疎かにすべきではないのです。
大きなことは、無数の小さなことから成り立っています。その小さなことができなければ、いずれ立ちいかなくなります。
そのときになって、小さなことからコツコツやっていく重要性を理解するなら、まだいいです。その顧みる機会を逃して、相変わらず大きなことを目指していると、いずれ小さなこともできないようになってしまいます。
(朝の独り言☆)
今日は、週末の仙台での講演の内容を考えていました。やはり、一人でも多くの方に喜んでもらえるように考えたく思います。