本当は誰もが持っているのに、いつの間にか自ら捨ててしまったり、なくしてしまったりするもの――。
こう言われたら、あなたはどんなものごとを思い浮かべるでしょうか。
運とか縁、能力、あるいはお金とか健康と答える人もいそうです。いずれもこの問いの答えになってもおかしくはありませんが、ここで私が言いたいのは「次」です。
「今回はムリすることないよ。また次があるんだから」「まだ若いんだから、慌てることはないよ。次を待てばいいよ」……
こんなふうに言ったり言われたりすることは、日常茶飯事です。それは、もっともらしい意見・アドバイスのように聞こえます。
どんなことであれムリをするのはよくないし、若いうちならまだチャンスはあるものです。「次を待ったほうがいい」は真っ当な考えではありますが、100%の確実性があるわけではありません。
次が来ることもあるし、来ない可能性もあります。もっと言うと、次が何回も来る人と2度と来ない人に分かれます。
その違いはどこから来るのかと言うと、運や縁、能力、お金や健康ではありません。ただ直前までどれだけ頑張ったかかに尽きます。
自分の持っているものすべてを出して、なおかつもっと成長しようと頑張っている人には、目の前のチャンスを見送っても、次は来ます。「ムリすることないよ」「まだ若いんだから」という意見・アドバイスに従っても、悪いことにはなりません。
反対に、自分の持っているものをすべて出そうともせず、「もうこれ以上やりたくないな」と思っている人が目の前のチャンスを見送ったら、次はありません。「ムリすることないよ」「まだ若いんだから」という意見・アドバイスに従ったら、永遠に来るはずのないものを待ち続けることになります。
世の中は、次がある人とない人に分けることができます。それは、年齢や性で区別されるものではありません。
自分を成長させようと一生懸命頑張った人には、老若男女を問わず、次があります。1度ならず、2度3度、あるいはもっとやって来るかもしれません。
一方、自分を成長させることも一生懸命頑張ることもない人には、当たり前ですが、次はないです。2度と来ることのない次を待つ人生を生きることになります。