アイデアとは、不思議なものです。どんなにいいものを思いついたとしても、実行しなければ具体化することも、また実現することもありません。
またやってみて、すぐに効果が表れるものでもないです。やってみてうまくいかなかったとしても、「これはダメだな」と早々に見切りをつけてしまったら、せっかくのそのアイデアが日の目を見ることがなくなります。
本当は何回か続けてやっていったら、想定していた以上の効果を収めたかもしれないとしても……。
「そうだ、こういう手があった!」
そう思いついたとしたら、それはアイデアが誕生した瞬間です。これで「めでたし、めでたし」ではありません。
その新しく生まれたものは、アイデアの卵です。うまくそれを孵化させる必要があります。
実は、そこから先のほうが大変なことが多いものです。それを具体化し、かつ実用化するプロセスが始まります。
せっかくひらめたいアイデアの卵をどうしたら孵化させられるか。言い換えれば、「どうしたらうまくいくか?」を考えなければなりません。
アイデアの具体化。これが、アイデアの第2段階です。
このプロセスは、思考より行動。「こうやったほうがいい」「こういうやり方のほうがいいかもしれない」と、ドンドン実行していきます。やってみてうまくいかなかったら、少しずつ改良していきます。
あれこれ試しても、そうカンタンにうまくいくようにはなりません。だからこそ自分自身が「これはいい!」と思ったものはトコトンやっていきます。
改良を重ねていって、これまでとは見違えるほど便利になったり快適になったりしたとしたら、アイデアが実用化されたということです。この段階に達してようやく、「いいアイデア」だと認められます。
思いつく。具体化する。実用化する。このようにアイデアには、3段階があります。
「ダメだ」と思って早々に見切りをつけてもいいですが、その場合は最初のプロセスからやり直すことになります。3つの段階をきちんと通ってきたものだけが、本当の意味での「アイデア」と言えます。