「あなたは、今日１日をムダなく過ごしましたか？」
こういうふうに聞くと、答えに詰まる人が多そうです。一瞬、間を置いてから「ムダな時間がたくさんありました」と白状するかもしれません。
やるべきことを効率よく処理して、すべてを計画どおりに進めることが、「ムダなく過ごす」ことではありません。ボーッとする時間を過ごすことが「ムダ」を意味するのでもないです。
また「うまくいったから、ムダがない」というのは趣旨を履き違えています。結果の善し悪しは、ムダとは関係ありません。
私がここで言う「ムダがない」は、実にシンプルなことです。それは、自分が持っている力をすべて発揮できること――。
持っている力をすべて発揮できないでいるのは、自分自身を持て余すことにほかなりません。それは、自分が持っている力以下の行動をしている証拠です。それこそ自分自身のムダ使いです。
自分の実力、ポテンシャル以上のことに取り組んでいれば、持っている力すべてを出さざるを得ません。やっているうちに時間もアッと言う間に過ぎてしまいます。
休憩する時間はあっても、気力・体力・知力を回復させることを最優先にするのでボーッとするヒマもありません。「次は何をしようか？」と考えている無意味な時間を過ごすことさえ惜しくなります。
自分が持っている力をすべて出そうとすれば、否応なしにどんなことでもテキパキとやるようになります。効率とか計画を考えるまでもなく、次から次へと行動し、１つ１つ処理していきます。
ムダがない１日とは、自分が持っている力をすべて発揮した１日。それと結果が出る／出ないは、また別のことです。
持って力をすべて発揮しようすれば、誰もが今日１日をムダなく過ごすことができます。１年３６５日すべてが、ムダがない１日になります。
ムダがない１日を過ごすのは、決して難しいことではありません。あなたにもう１度聞きます。
「あなたは、今日１日をムダなく過ごしましたか？」
