あったほうが便利ではあるけれど、過度に期待しないほうがいいもの――。それが、「データ」です。
今やビジネスでもスポーツでも勉強でも、当たり前のようにデータが活用されています。その傾向に拍車がかかることはあっても、廃れることはありません。
データとは、あくまでも過去の記録です。それにいい/悪いはありません。
そこには、人間の行動、思考、意思決定の痕跡がくっきりと浮かび上がっています。それを活用するのは定石で、うまく分析し対策を打つことができれば、競合よりはるかに先んじることができます。
「データを制する者は、すべてを制す」
そういう風潮があるのは確かですが、万能ではありません。あくまでも過去の記録。
仮に法則性みたいなものがあるとしても、それがこれからも通用するかどうかは不明です。100%鵜呑みにすることは危険です。今この瞬間に風化してしまうことは十分にあり得るのですから……。
データには、もとから足りないものがあります。それは、「今」です。
データから導き出せるものは、過去から今までの傾向だけです。今まさに起こっていることは、なんら反映されていません。
あるべき活用とは、過去の記録を踏まえたうえで、今まさに起こっていることをおく観察すること。データはあくまでも参考資料にすぎません。
それをアタマに入れながら、今をしっかり観察することで、これからの未来はどうなっていくのか、および何をすべきなのかを考えて行動していきます。
データだけを見て何をするか考えて行動するのは、ラクです。それは、データを過信する思考停止です。
今を観察するのも、未来がどうなって何をすべきなのかを考えるのも、生半可なことではありません。
それをしたくないためにデータに頼る人は少なくないですが、いつか通用しなくなって、青ざめることになります。
データを活かすのも殺すのも、自分次第。きちんと活用できるようになったら、そのときこそあなた自身が「データを制する者は、すべてを制する」ようになれます。
あなたは今日、データをきちんと活用しましたか。しっかり今を観察し未来について考えましたか?