「なんかイマイチだな」「ピンと来るものがないなぁ」「ありきたりだな」……
新商品の企画を考えて提出したところ、ケンもホロロに言われてしまった……。こうなると、何日も一生懸命考えたのが水の泡。
「いいアイデアはないかなぁ……」
そうボヤキたくなる人は、多いかもしれません。あなたも、その1人でしょうか。
いいアイデアなどなかなか出るものではありません。その意味では、企画のダメ出しをされたからと言って、ガッカリする必要もないです。
次回にいいアイデアを出せばいいだけです。
もっとも、なんらかの工夫をしなければ、いいアイデアが勝手に出てこないのも事実です。次回にいいアイデアを出すためには、手を打たなければなりません。
アイデアが浮かばない人は、実はいろいろやりすぎています。市場調査をしたりデータを集めたりグループインタビューをしたり、新商品の企画を出すために、ありとあらゆる手を尽くしています。
やりすぎているから、可もなく不可もないアイデアしか出てこなくなっています。過去の成功体験やセオリーにとらわれて、どこかで見たり聞いたりしたアイデアしか浮かんできません。これは、一種のパラドックスです。
いいアイデアを出すために必要なことはいくつかありますが、その1つが「他人の視点を持つ」こと。これだけでも相当な変化が見られます。
ターゲットとする顧客の視点を持つと、企画の問題点や改善点が浮かび上がるようになります。
ターゲットが子どもなら、3歳児とか5歳児の視点でその企画を先入観なしに見ていきます。あるいはターゲットがお年寄りなら、75歳とか80歳の人の視点でその企画をフラットに見るようにします。
「これはいらない」「ここをもっと変えよう」「こういうのはあったほうがいい」……
他人の視点を持つだけで、これまでなかったアイデアが泉のごとく湧き出してきます。それを企画としてまとめれば、「こういうのを待っていたんだ!」と称賛されることは十分にあり得ます。
他人の視点を持つのは、一朝一夕にはできません。日ごろから「もし○○だったら……」と考える習慣を身につけておくと、必要なときにそれを持てるようになります。