人には、向き不向きがある――。よくこのように言われていますが、この言葉の本質を理解している人はそれほど多くありません。
向き不向きは、できる/できないとは違います。残念ながら、このように理解している人が多すぎます。
たとえば、これまで主に経理畑を歩んでいる人が突然、営業の仕事に配置転換されるとします。業務内容がまったく違うし、経験もないことから、「私にはムリです」と拒絶してしまう人は多そうです。
しかも人見知りの性格。本人は「人と話をしなければならない営業の仕事は不向きだ」と思っています。
その見方はおそらく間違ってはいませんが、経験がないから、あるいは人見知りだから、「営業ができない」とまで言うのはムリがあります。
実際に未経験、人見知りでも営業でバリバリ結果を出している人はいます。その人が「特別なケース」ということはありません。たまたま「向いていた」というのも違います。
おそらくその人も未経験、人見知りで、営業には不向きだったはずです。それでも克服したのは、事実。なぜそれができたのかと言うと、不向きなことにきちんと向き合ったから。
改めて言いますが、不向きなことは、「できないこと」ではありません。それは、「うまくいくまでに人よりも多くの時間がかかること」です。
未経験、人見知りの人にとって、営業という仕事は不向きです。それは、人の何倍も行動しなければうまくてきるようにならないということ。
不向きだからと言って、営業で成功しないとかうまくいかないということではありません。このことを理解していない人は、たくさんいます。
営業に不向きなら、人の3倍、4倍やれば、うまくできるようになります。時間がかかったとしても、決してできないことではありません。
あなたに不向きなものがあるとすれば、時間をかけながら人の倍以上やれば、できるようになります。「不向きだからできるわけがない」と決めつけるのは、早計です。
もし「不向きだ」と思ってやらないでいたら、自分の可能性にフタをしてしまうこと。それは、本当にもったいないことです。