2019.9.2.

思いつきをいい考えにまとめていく、、、

「分かった、これだ!」「そうか、こうやればいいんだ!」「この手があった!」……

不思議なことですが、いい考えはある日突然、なんの前触れもなく浮かびます。あなたにも、そんな経験が1度や2度はあるはずです。

しかもそれは、商品開発とか品質改良とか問題解決といった特定のことを集中して考えているときに浮かぶのではありません。

全然関係のないことをしているときとか、何もしていないときに、「これだ!」と思い浮かびます。

大げさに言えば、神の啓示。その実態は、ひらめき。

いずれにせよ、いい考えは思ってもいないタイミングで自分の中から出てきます。それは、誰でも同じです。そうは言っても、現実には、いい考えが頻繁にパッと浮かぶ人と、まったく出てこない人に大きく分かれます。

両者の違いはどこにあるのかと言うと、知識量の豊富さではありません。

知識は「ない」よりは「ある」ほうがいいに決まっていますが、博識な人がいい考えをポンポンと生み出しているのかと言うと、それはあまりにも非現実的です。

真面目さがいい考えを生むのに欠かせないのは事実ですが、絶対ではありません。ときには遊びの要素も必要です。

もし「いい考えを生むのに不可欠なものを1つ挙げろ」と言われれば、迷わずこう答えます。それは「発酵」です。これが、いい考えを生む人と、そうでない人との大きな違いとなっています。

発酵とは、それなりの時間をかけてたんなる思いつきをいい考えにまとめていくこと。いい考えが浮かぶ人は、この発酵の時間を設けています。

商品開発や品質改良、問題解決で実践的で有効なプランが欲しいときも、いくつかあれこれ考えます。このとき根を詰めることはしません。

何個か考えたら、しばらく放置します。それは、考えを発酵させるということ。

ただし、何もしないでいたら、発酵は起こりません。このとき「経験」という酵母を投入します。

この酵母がいくつか思いついた考えに作用して、しばらく経ってから「これだ!」というひらめきを起こします。

いい考えを思いつく人は、自分の中で「知識×経験」の発酵作用を起こしています。

あなたは今日、いい考えを生みましたか。持っている知識を発酵させましたか?