目の前の仕事に取り組んでいてなかなか思うように進まないとき、その原因を自分以外のほかのものに転嫁することがあります。
たとえば、部下/後輩にいいかげんなところがあると、「あいつらがきちんとしていないから、こちらが尻拭いさせられる」と、自分の仕事がうまく進まない原因を彼らに求めてしまいます。
部下/後輩がしっかりしていれば、「こんなに苦労はしないのに……」と、直接の因果関係がないのに、強引にこじつけています。確かに部下や後輩にいいかげんなところがあるのかもしれません。
とは言え、そのことと目の前の仕事は、まったく別のこと。たんに彼らをスケープゴートにしているだけです。
それは、自分自身を冤罪化すること。自分は何も悪くないのに、誰か/何かのせいで苦労させられて、理不尽な目に遭っているとい心理状態になっています。
自分以外の何かに責任を転嫁すると、一時的に気持ちがラクになります。その間だけでも、不平不満が解消されます。無実の罪を押しつけられて、理不尽な環境と闘うヒーローになったような気分にさえなります。
それで仕事がうまく進むのなら、そういう考えになってもいいです。残念ながら、現実に仕事は遅々として進みません。なぜならうまくいかない原因を解決していないから……。
うまくいかない原因のほとんどは、自分自身にあります。それは、「もっといいやり方があるのに、我流にこだわっている」「やらなくていいことにまで手を広げている」「大切なポイントを外している」といった原因を突き詰めて、なおかつ改善策を実行すれば、うまくいくようになるものばかりです。
こうした原因分析と改善策模索は、それなりの手間と時間がかかります。手っ取り早く済ませることができません。
そのため自分以外の何かを原因にしたくなってしまうところがあります。一時的な憂さ晴らしにもなるため、余計にそれに走りがちです。それをしている限り、うまくいくことがないにもかかわらず……。
どんなことであれ、うまくいかない原因は、常に自分にあります。そこに手をつけない限り、何ごともうまくいくようにはなりません。