問題とは、「向かっていくもの」です。決して逃げるものでも無視するものでもありません。
もしこちらから向かっていかなければ、ドンドン大きくなる一方です。
そのスピードは想像以上。1日放置してしまえば、まるで成長期の子どものように、翌日には大きくなってしまいます。
こちらから向かっていかなければ、いつまで経っても解決しないまま。勝手に小さくなるとか、どこかほかのところに行ってしまうという虫のいい話はどこにもありません。
逃げたり無視したりしている限り、問題が解決することはないですが、この人たちがそうしてしまうのには同情すべきところがあります。
それは、起こった問題が、まるで自分に対して向かっていくように感じられるから。
「このままではぶつかってしまう……」と思えるから、ついつい逃げたり無視したりしてしまいます。あえて弁護すると、放置するのは、一種の条件反射です。
もっとも逃げたり無視したりしているうちに、問題は大きくなっていきます。そのまま放置していたら、自分自身が問題に潰されてしまいます。
そのとき「このままではダメだ」と、腹をくくった人は、逆に問題に向かっていきます。自ら問題に体当たりします。
自分よりもはるかに大きい問題にぶつかっても、最初ははねのけられるかもしれません。とは言え、それしか解決方法がないのも事実。
何度も向かっていくうちに、対処法を身につけて、いつしか解決できるようになります。向かっていくしか方法がないことを、問題をうまく解決できる人は、熟知しています。
問題解決に慣れていない人、あるいはどうしていいか分からない人は、逃げたり無視したりしがちです。それは、問題が向かってくる恐怖心に勝てないから。
自ら問題に向かっていけば、その恐怖心は消えます。どんな問題も解決できるようになります。
「向かっていく」には、2種類あります。その2つは、ベクトルが真逆です。この違いを理解している人は、それほど多くはありません。