「私なら期待に応えられると思います」「それなら私が最適です」……
面接や商談などは、自分自身をアピールする場です。言い換えれば、自分を盛る場。
相手に「この人はいい!」「この人に任せよう!」と思ってもらえなければ、次に進めません。もし自分自身を必要以上に卑下したりすれば、オウンゴールそのもの。
もっとも、「盛る」と言っても、条件が3つあります。それを満たすのであれば、どんなに盛ってもいいです。こう言うと、奇異に感じる人がいるでしょうか……。
条件その1は、過去を盛ってはいけない。過去に「あれは私がやった」「こんなことをやった」と言うのはよくあることです。
飲みながら、「あれは俺が全部やったんだ」と、自慢げに語るのは日常茶飯事。
ほとんどの場合、それは針小棒大。ほんのちょっとかかわっただけなのに、飲んで気が大きくなったから、つい口を滑らせてしまったにすぎません。
聞いているほうも「話半分」にとらえているので、大ごとにはならないものです。
飲み会の場ならともかく、面接や商談で過去の話を盛って、相手が「本当かな?」と疑問に思ったら、すぐに調べられてしまいます。「ほんのわずかだけかかわった」という事実が判明したら、信用がゼロどころかマイナスになります。
過去を盛るのは、自殺行為以外の何ものでもありません。
条件その2は、未来なら盛っていい。これからやろうとすることに対して、「私なら3日でできます」「期待以上のものを提供します」と盛るのは、問題ありません。
実際にできるかどうかは分からないことですが、宣言した以上はなんとしても実現しようとします。
有言実行しなければ、信用がゼロになってしまいます。自分自身に適度なプレッシャーをかけるという意味でも、それなりの効果が見込めます。
条件その3は、2割増しまでならいい。盛る範囲は、最大限2割増し。
たとえば、通常100できるとしたら、「120ならできます」と言うのは許容範囲です。
もし「140までできます」と、4割り増ししたら、実現できない可能性が高くなります。これでは誇大広告になるし、自分へのプレッシャーがキツすぎて、自滅しかねません。
信用がマイナスになるばかりか、それが定着してしまいます。
盛るのであれば、有言実行すること。実現するつもりがあるのならば、多少盛るくらいは、自分自身へのいい刺激になります。