何かに取り組んだとしても、すぐに「できる」ようにはなりません。このことは、どんなことにも共通して言えます。
やり始めて、すぐに「できるようになった」という人は、確かにいます。その人はよほど適性があったということ。自分に合っているものに最短で出合えたのですから、とても幸せな人です。
やり始めはなかなかうまくもならないし、できるようにもならない……。自分自身が「失敗する」のを目の当たりにしているのですから、その日々は、苦痛です。
この苦痛の日々に耐えられない人は、「向いていない」「面白くない」「意味がない」と、早々に見切りをつけてしまいます。まことに残念なことです。
どんなに頑張ってやってみても、「できるようにならない人」は、もちろんいます。それは、ほんのひと握り。おそらく適性がある人と同じくらいいます。
それ以外の残りの人たちは、「頑張って続ければできる人」たちです。言い換えれば、できるようになるまでにそれなりの時間を要する人。最終的にはできるようになるのですから、頑張って続けていきたいものです。
とは言え、できるまでにはつらいことが続くのも事実。なぜできないとつらくなるのかと言うと、自分自身の無力さを感じるから。
あなた自身が、「できない人」という烙印を自分に押してしまってしまいます。
そのつらさを緩和する仕組みを持つことは、不可欠です。それは、「今すぐにできなくてもいい」と考えること。
いずれできるようになるとしても、それがいつなのかはまだ分からないことです。1週間後かもしれないし、1年後かもしれません。
いずれできるようになるのですから、「今はまだできなくてもいい」と思うことで、つらさはだいぶ軽減されます。
できるようになってしまえば、できない日々に戻ることは不可能。あとになって思い返せば、悩み苦しんだ日々を懐かしく感じることもあるはずです。
どんなに失敗を繰り返すとしても、「今はまだできなくてもいい」と思えれば、精神的にかなりラクになります。できるようになるまで「続けよう」と思い直せるようになるものです。
できない日々は、今だけ。実は、2度と戻れない貴重な時間を過ごしています。