2020.7.29.

ゼロから組み立てる、、、

「うーん、何かイマイチだな」「ピンと来ないね」「もっと斬新なものが欲しい」……
 あなたが新商品の企画を提案したところ、上司にこんなふうに言われたとします。
こういうとき「何がダメなんですか!」「絶対にイケますよ!」と食い下がっても、効果はゼロ。むしろ「あきらめが悪い」「しつこい」と毛嫌いされて、上司のあなたへの評価が急落する恐れもあります。
自信満々の企画だっただけに、周囲の人も気の毒に思っています。「あの部長は見る目がない」と、あなたの肩を持つ人もいそうです。
こういうとき愛着のある企画にこだわるのは得策ではありません。むしろさらにブラッシュアップしたものを出すほうが、上司がOKする確率が高くなります。まさに「急がば回れ」です。
 いいブラッシュアップの方法は、上司からの指摘を織り込むこと。上司に、NGになった要因や足りない点を逐一挙げてもらいます。
「ここはいいけど、ここはダメ」「もっと女性(男性)向けにしたほうがいい」「中高年はこういうものを欲しがらないよ」……
 その指摘を取り入れていけば、採用の確率はグーンと上がります。ただし、足して2で割ったり、ツギハギしたりするようなことは避けるべきです。
 あなた自身のアイデアと上司の指摘という両方の素材を並べてゼロベースで企画をつくり直していきます。言い換えれば、企画をゼロから組み直していきます。
 おそらく両方の素材を組み直していけば、NGだった企画とはまるで別ものになっていくはずです。まったく生まれ変わったものになる可能性もあります。
こうしてNGだったものとは似て非なる、けれども斬新な企画が誕生します。上司が「これでいこう」と、OKを出すのは間違いありません。
提案した企画に対して「イマイチだ」「ピンと来ない」「もっと斬新なものを」という指摘をもらったとき、多くの人はその部分を取り入れて微調整するだけにとどめようとします。
なぜならそのほうが手っ取り早いから。それは、足して2で割ったり、ツギハギしたりするようなものなので、魅力は薄れます。
「こうしたほうがいい」という指摘をもらったときは、ゼロベースで企画をつくり直したほうが魅力はアップします。このことを理解している人は、そう多くありません。