2020.9.1.

先に名乗りを上げてみる、、、

「これをやってみる人はいないか?」
 そんなふうに上司が特定の人ではなく、興味を持ちそうな誰かに仕事を割り振ろうとすることがあります。このとき部下の対応は、大まかに3つに分かれます。
 手を挙げる。様子見をする。完全にスルーする……。あなたが部下だとしたら、いずれの対応をするでしょうか。
 もちろん、仕事の進捗状況によってその対応が変わることは、十分にあり得ることです。
どんなにやりがいがありそうに見えても、忙しいときに新たにほかの仕事を抱えるのは、ある意味では自殺行為。様子見したり、スルーしたりしたくもなります。
 とは言え、それらの対応がもったいないのも事実。なぜなら新しい知識・スキル・経験を身につけるチャンスを逃すことになるから……。
 誰かが「こういうのはどう?」と、仕事や面白そうな企画を提案してきたら、あと先考えずに乗ってみるのは、無謀でも計画性がないのでもありません。自分自身の可能性を広げることです。
抱えている仕事がいくつもあって、ほかのものに手を出せない。これ以上新しいものを抱えたら、既存の仕事のクライアントに迷惑をかけてしまう……。
そのほかにも、スルーしたくなる理由はいくつもあります。それらはごくごく真っ当なものなので、それを理由にしたからと言って、非難する人はいません。そんなことは上司も理解しています。
現状がいっぱいいっぱいだから、名乗りを上げられない……。これは、実にもったいないことです。あなた自身が、自分の限界を設定するようなものです。
 たとえ仕事が厳しくなったとしても、クライアントにアタマを下げてリスケをお願いしたり、同僚や後輩を巻き込んで手伝ってもらったりすれば、打開策はいくらでも見つかります。調整がつかない仕事など、ありません。
本気になってやろうと思えば、なんとかなるものです。少なくとも「今は厳しいから」と言って、何もしないでスルーするよりは、よほど自分自身を鍛えてくれます。
 先に名乗りを上げてから、どうすれば既存の仕事をやり繰りしながら進めていけるかを考える……。
ときにはそんなふうにあと先を考えずに仕事をやってみるのも、いいものです。自分自身を大きく成長させる機会になるのは、間違いありません。