誰にでも「できない」ことは、いくつかあります。できないことがあるのならば、同じくらいかそれ以上に、あなたには「できること」があります。
そのできることは、ほかの誰かにとっての「できないこと」かもしれません。
あなたができないことは、誰かのできること。あなたのできることは、誰かのできないこと――。それを交換すれば、短所を長所で補い合うことができます。
不得意なことをするより得意なことに専念したほうが本人もやる気になるし、やっていて楽しくなります。
できないことがあるとしても、ほかの誰かにカバーしてもらえれば、なんとかなるものです。
「できないこと」の対処法は、もう1つあります。それは、できるようになるまで頑張ること。
自分の短所を誰かの長所で補ってもらうよりは、はるかに手間がかかるし、苦労もします。
ものにもよりますが、いつできるようになるのか、またどの程度できるようになるのかはまったく不明。やってみたものの結局はマスターできないで終わる可能性も、「ない」わけではありません。
不得意をなくそうとする、その努力には敬意を表すべきですが、このいばらの道を行くのはもの好きな人なのでしょうか。確かにそういう見方はできます。
たとえマスターできずに終わったとしても、得るものはあります。1つは、経験。もう1つは、これまで培ってきたものとかけ合わせて、新しい何かを生み出すチカラ。
その不得意なことをものしようと思うまでは、実はどのように活かしたらいいのか、何に役立てたらいいのか分からない状態にあったと言えます。
マスターまでいかなくても、やってみてなんとなく「こういうものだ」と分かったので、自分の培ってきた知識やスキルの何とかけ合わせれば、「新しいことが起こる」とおぼろげながらでも見えてきます。
それは、できないことを「できるようになろう」と思わなければ気づかなかったことです。
「できないこと」を体験することで、その活かし方が分かります。「できないこと」はあってもいいですが、最初から「ムリ」と敬遠してしまうのはもったいないことです。
「できないこと」の中には、大きな可能性が眠っています。それを活かせるかどうかは、あなた次第です。