伸びる人と、伸びない人――。両者の違いは、いくつも、またいくらでもあります。あえてその中の1つを挙げるとしたら、「ベース」です。
伸びる人には、必ずと言っていいほど自分の中にしっかりしたベースがあります。伸びない人には、例外なく自分の中にそうしたベースとなるものがありません。
ベースとは、土台であり、礎石。ベースが頑丈であり堅固でなければ、その建物はすぐにグラついてしまうし、地震が来たら倒壊してしまいます。それは、人間も同じ。
建物の場合は、主に第三者であるプロが建設することになりますが(自分で家を建てる場合は除きます)、人間の場合は本人がつくらなければなりません。誰かが勝手にその人の中にベースをつくることなど、あり得ないことです。
本人が自分の中につくっていくのが、ベース。それは、一朝一夕につくられるものではありません。自分の中に礎石をつくる条件は、次の3つです。
1つ目が、継続する。どんなことをするのであれ、続けていかなければベースがつくられることはありません。
1日や2日でつくられる建物など、皆無。たくさんの人たちが何十日、あるいは何年もかかわってきて、ようやく建物が完成します。それと同じで、積み重ねがあって初めて、自分の中に頑丈で堅固なベースができ上がります。
2つ目が、自分自身を信じる。毎日少しずつコツコツと続けてきたとしても、「自分なんかがやっていいのだろうか?」「本当にできるのだろうか?」といった疑心暗鬼があるとしたら、ベースは完成しません。
もしできたとしたら、それはベースもどき。頑丈でも堅固でもない、安定性を欠いたものがつくられるだけです。この「自分自身を信じる」は意外と見落とされていることです。
3つ目が、常に点検する。つくられる途上であれ、また完成後であれ、ヒビやモレがないかを定期点検していく必要があります。建物と同じで、痛んでいるところや毀損しているところがあれば、早急に修理しなければなりません。これも意外とおろそかにされています。
ベースがあるから、どんなことをするのであれ、思い切って行動することができます。その思い切りのよさが、人を伸ばしていきます。
ベースがない人は、行動しないばかりでなく、思い切りがないから、いつまで経っても、伸びないままです。