心機一転。臥薪嘗胆。捲土重来……。おそらくこれらの言葉を見たり聞いたりするのが1年で最も多いのが、松の内です。
これらの言葉を年賀状に書いたり、年初の挨拶で言ったりする人は少なくありません。もしかしたら、あなたもその1人でしょうか……。
前年にうまくいかなかったり想定していたとおりにならなかったりしたから、「今年こそは!」という気持ちを持つようになるのは、自然なことです。
心機一転も臥薪嘗胆も捲土重来も、自分の中に期するものがあるから出てくる言葉であり、「成長したい!」という純粋な気持ちの発露です。
出鼻をくじくつもりはないですが、その「今年こそは!」という気持ちは、長続きしません。いざ持ってみると空回りしがちで、何ごともうまくはいかないものです。
確かに「その心意気やよし」ですが、いささか気負いすぎている感がなきにしもあらず。3カ月も経ったら、「今年こそは!」と勇んでいた年初の勢いなど雲散霧消している可能性が大です。
あなたの今年にかける意気込みは、痛いほど伝わってきます。決して否定しているわけではなく、「もうちょっと抑えたほうがいい」と言ったら、余計なお世話に感じるでしょうか。
胸に期することを成就させるためには、「今年こそは!」という気持ちを長続きさせなければなりません。1年間ずっと持ち続けるからこそ、ものごとが成就します。
どうすれば長続きするかと言うと、昨年よりも「少しだけ」プラスすること。
具体的に言うと、昨年より「少しだけ積極的になる」とか、「少しだけ粘り強くなる」とか「少しだけスピーディーに行動する」といったこと。どんなことを「少しだけ」プラスするのかは、人それぞれです。
昨年よりも少しだけ何かをプラスすることで、自分自身の成長につなげていきます。これなら気負いすぎることもなく、途中で息切れすることもなくなります。
年間を通して「少しだけ」を続けていけば、あなた自身、大きく成長していきます。
1年の終わりを迎えるころには、多くのことを成し遂げているのではないでしょうか。
その結果として、心機一転、臥薪嘗胆、捲土重来を果たした1年になっているはずです。あなたは、昨年より何を少しだけプラスしますか?