どんな組織や人にも、うまくいくときとうまくいかないときの「波」があります。それは交互に訪れるものですが、どちらのほうが長いかは、人や組織によります。
このうまくいかないときが、いわゆる停滞や閉塞です。状況が停滞したり閉塞したりしてきたら、ひとえに打破するしかありません。
それは、自ら率先してやるべきことです。
停滞や閉塞の状況に陥ったとき、多くの組織や人に見られる傾向は、いわゆるこれまでの延長線上のことで対処しようとすること。
これまでの常識や前例、慣習、ルールの範囲内、または組織の中だけで停滞や閉塞を打破することをやろうとします。
考えるまでもなく、それには限界があります。これまでやってきたことの延長線上のことしか思い浮かばなかったりやろうとしたりするので、相変わらず停滞や閉塞が続きます。
むしろそれらがドンドン悪化するほうに向かいかねません。
打破するには、それまでやってきたことを変える必要があります。その最も手っ取り早い方法は、「はみ出す」こと。
もっとも、多くの組織や人にとって、「はみ出す」ことには抵抗感があるようです。なぜなら自己否定につながりかねないから……。
あらかじめ断っておきますが、自己否定とは異なります。もっと前向きでポジティブなことです。何からはみ出すのかと言うと、常識や前例、慣習、ルール。あるいは組織そのものの場合もあり得ます。
これまでやってきたことすべてを俎上に載せて、停滞や閉塞につながるものは聖域なくバッサリ切って(やめて)しまいます。これが、破壊。
その代わりにこれまでやってこなかったことを色メガネなしにあらゆる角度から検討して、停滞や閉塞を破り、さらに新たないい流れをつくり出すものを始めていきます。これは、創造。
破壊と創造――。停滞や閉塞を打破するには、この2つが必要不可欠です。
この破壊と創造は、自己否定ではありません。それまでより進化した組織や人をつくること。言葉を換えれば、以前よりももっと強くなること。
進化し強くなるからこそ、停滞や閉塞を打破することができます。それは、はみ出さなければできないことです。はみ出すことを恐れる必要はまったくありません。