「なんでこんなことをやらなければいけないんだ」「まったく割に合わないよ」……
頼まれたり命じられたりしたことに対して、大いなる不満がありながらも、それを表明せずにブツブツ言いながらやっている……。
面と向かって表明すればいいのに、それができずに陰で文句を言っているのは、多くの人がしていることです。
文句の解消法は、2つしかありません。どちらを選ぶかは、人それぞれ。
1つは、不満のモトとなることをやらない。頼まれたり命じられたりしたことをやらなければ、文句を言うことがなくなります。
これが最も速い解消法ですが、反対に頼んだり命じたりした相手が不満を持つようになります。その腹いせに、取引が打ち切りになるとか左遷/降格させられるという不利益を被る可能性が出てきます。
多くの人は、その不利益を恐れて、要求されたことを、文句を言いながらやっていますが、そんな状態でやっても成果が上がることはまれ。
その半面、やらないことで生じた時間を自分にとって利益になることに使えば、自分自身の頑張り次第では差し引きトントンどころかプラスに転じることも不可能ではありません。
キッパリやめてしまっても、困ることは意外と少ないものです。
もう1つは、不満のモトとなることをサッサとやってしまう。やりたくなくても、頑張って早く終わらせてしまいます。これも、立派な解消法です。
ただし、あまりにも早く終わらせてしまったら、相手からさらに頼まれたり命じられたりする危険性が出てきます。これでは、便利屋扱いされることと同じ。不利益を被り続けることになります。
それを回避するには、相手の要求以上の成果を出すこと。「ここまでやってくれるとは思わなかった」と感嘆させたうえで、「これからはこちらも要望します」と、相手に対してこちらが有利になる条件を逆提示します。
それを相手が飲んだら、不利益を被ることはなくなります。
もし飲まなかったら、相手の要求を2度と受けなければいいだけ。自分にとって利益になることに時間を使えば、不利益はなくなります。
結局のところ、文句を上手になくすには、やらないかやるかのどちらか。相手とものごとによって使い分けていくのが、賢明です。