「ああ、あのときと同じだ。ムリだ。私にはできない」……
このように過去の失敗が「トラウマ」になって、似たようなことをするときに尻込みしたり逃げ出したくなったりする人は少なくありません。あなたもその1人でしょうか……。
過去の失敗、それも思い出したくもないつらい記憶となっている失敗を克服するのは、確かに難しいです。だからと言って、「不可能」でもありません。
克服は「可能」ですが、「過去に失敗したことをムリしてやらないほうがいい」のも事実です。挑むのは自由ですが、ムリに克服しようとするのは避けるべきです。
こう言うと、「一体どっちなんですか!」と問い詰めてくる人が多そうです。誤解を招かないためにも、真意を説明します。
トラウマになるくらいの拒否反応があるのですから、過去に失敗したことにムリに取り組んだり克服しようとしたりする必要はまったくナシ。ムリにやろうとすると、傷をさらに深くすることになりかねません。これは、「逃げ」とは違います。
そのうえで声を大にして言いたいのは、今のあなたは「あのときの自分ではない」こと。今のあなたは、失敗したあのときの自分とは違います。
成長もしているし、難しいことでもやり抜く強さと力を持っています。あのころと比べたら、できることも増えているし、スピードも精度も上がっています。
そえゆえにこうも言えます。今のあなたなら、あのときのようなことにはならない……。
実際にやってみたら、おそらくうまくいきます。もちろん、100%の保証はできないので、あなたがやはり失敗してしまう可能性も残っています。
それでも、もし失敗したとしても、もはやトラウマになることはないはずです。なぜならあのときとは違う成長した自分だから……。
トラウマになるほどの失敗をしたのは、あのときの自分。今の自分とは、違う人です。そうハッキリ認識すべきだし、自覚すべきです。
成長した今の自分なら、過去に失敗したことに取り組んでも、なんなくクリアする可能性は十分にあり得ます。トラウマ自体も克服しているに違いありません。
ただし、それも「やってみよう!」というやる気が自分自身の中から湧き出たときに限ります。あくまでもムリは厳禁。成長した、あのときとは違う自分が「やってみよう!」と思えるときまで待って挑戦するほうが、賢明です。
(朝の独り言)
今日は、プラチナコーチングに収録でした。プラチナメンバーからは、中村天風先生の本の感想と質問を受けましたが、本で伝えたい価値を凄く理解してくれていて、嬉しく思いました。まもなく、中村天風先生の言葉を私の体験に基づいた音声30日プログラムの発売を予定しています。楽しみにしていて下さい。