2019.8.23.

「できる」までを楽しむ、、、

プラモデルやジグソーパズルといった趣味は、完成するまでにある程度の時間を要します。何時間、ときには何十時間かかることもあります。

「完成するまで時間がかかりすぎる……」と思う人は、最初からそうした手間がかかる趣味には手を出しません。もっと手短にかつ気軽にできるものに取り組みます。 

手間がかかる趣味に取り組む人は、「ヒマ」というわけではありません。多忙の合間を縫って、15分くらいの空き時間で少しでも先に進めようとするものです。

どんなことを趣味にするか、またどれだけの時間をかけるかは、人それぞれ。自分自身が楽しめるものであれば、第三者がとやかく言う筋合いはありません。

それでも1つ言えることがあります。それは、手間がかかる趣味を持つ人は、気が長い人ではないこと。もちろん、時間がたっぷりある人でもありません。

どういう人なのかというと、完成するまでを楽しめる人です。完成するまでの何時間、あるいはは何十時間を楽しく過ごすことができる人。

プラモデルにしてもジグソーパズルにしても、完成するまでには実にたくさんの作業が待ち構えています。

1つ1つの作業はとても精緻で、慎重さと手先の器用さを必要とすることもあります。気が短い人なら途中でイライラして、「ああ、もうこんなのはイヤだ!」と、放り投げてしまうかもしれません。

手間がかかることにじっくり取り組む人は、たんに手先が器用というわけではありません(器用な人もいます)。1つ1つの精緻な作業をすることを苦にしない人です。

もっと言えば、そうした細かい作業を楽しめる人。無数にある精緻な作業を思う存分楽しめるから、どんなに時間をかけても、最後は完成させます。「できる」までを楽しめる人です。

完成したらもう何もすることがないので、つまらなく感じることも「ない」わけではありません。そういう人は、また新たなプラモデルやジグソーパズルを始めます。

できるまでが楽しいのは、仕事も同じ。確かに1つの仕事が終われば、「やったー!」と快哉を叫びたくなりますが、同時にそれは自分の手を離れたということ。そこに楽しみはもうありません。

完成したことに満足しない人は、また次の仕事を探します。その仕事ができるまでを楽しむために――。