2020.4.19.

「無料」が投資になる、、、

「これは、おまけしますよ」
 何かを購入したときに、お店の人から同じものを無料で追加してもらったとき、「トクをした」ような気になります。「よかった、ありがとう」と、喜ぶ人がほとんどですが、すべての人がそうだとは限りません。
なかには、「そんなことするくらいなら、こっち(買ったほう)をもっと安くしてよ」と訴える人もいそうです。確かに「おまけ」をくれる余裕があるなら、「もっと安くできるはず」という言い分には、一理あります。
おまけを喜ばない人がいるのは、お店の人に「善意の押しつけ」を感じるからです。たとえお店の人が好意でやっているとしても、そこには「おまけをしたから、次も来てくれるだろう」という思惑を感じます。
 たんなる好意なのか、あるいは思惑があってのことなのかは別として、「おまけする」のは、戦略的行動です。リピートを促す行動であることは、間違いありません。
実際にリピートするかしないかは、顧客の自由。リピートが多ければ戦略が当たったということであり、少なければ失敗に終わったということ。
これに対して、事故や災害があったときに、困っている人にソンを覚悟で、「これを使ってください」と、商品を無料で提供するケースもあります。これも善意の行動ですが、ボランティア性が前面に出ているので戦略のにおいがしません。
ほぼすべての人が「ありがとう。助かります」と、喜んで受け取っていきます。「赤字になってまでやってくれている」と分かるから、感謝の気持ちをいつまでも持ち続けます。
同じ無料でも、大きな違いがあります。好意でやったとしても、おまけには戦略性が前面に出てしまいます。反対に、ボランティア性の提供は、とても感謝されます。
違いは、貢献性の有無。おまけに貢献性はありませんが、ボランティア性の提供には顧客への貢献性がしっかりあります。
無料で何かを提供するのでも、戦略的にやっては顧客の気持ちをつかむことはできません。逆に、貢献性が感じられるものは、顧客が感動しリピートにつながります。
そのときソンをしてまで無料で提供したことが、活きてきます。貢献性という大きな要素を満たす限り、無料はのちのリピートを生む「投資」になり得ます。