商品やサービスを提供する側にとって、お客様に購入してもらうことは生命線です。どんなにいい商品やサービスをつくったとしても、お客様に買ってもらわなければ、1円の売り上げも入ってきません。
売り上げがなければ、商品・サービスをつくるまでにかけたお金も従業員の給料も払うこともできなくなります。その状態が続くと潰れてしまうのは、言わずもがな。
購入してもらえないからと言って、お客様に対して「見る目がない」「価値が分からない」と文句を言うのは、完全に筋違いです。
いい商品・サービスをつくる努力はもちろん、大切。同じくらいか、それ以上にいい商品・サービスを知ってもらい、なおかつ使ってもらう努力をしていく必要があります。
お客様に商品・サービスを買ってもらって初めて、売り上げが立ちます。その売り上げから商品・サービスをつくるまでにかけたお金や従業員の給料を捻出できるので、何はともあれ、お客様に買ってもらわなければなりません。それは、すべてのビジネスに通じる原点です。
買ってもらう努力は営業の人だけではなく、すべての人がすべきことです。生産部門の人や事務職の人も、自分のところの商品・サービスを「買ってもらおう」とするのは当たり前。
「私は営業ではないから」と、一切の営業もしないとしたら、組織自体が「買ってもらう」努力を怠っているということ。厳しいようですが、そういう組織はいずれ行き詰まります。
さらに言うと、「買ってもらう」は決してゴールではありません。顧客との関係において、それはほんの入口。
1回買ってもらったからと言って、「もういいや」と思われたら、次はありません。リピートにつながらないようなら、極端に言えば、買ってもらわないのと同じ。
リピートしてもらうには、まずはお客様に「買ってよかった」と思ってもらうこと。それを続けていくと、「もうこれしか買わない」と思ってもらえるようになります。ここをゴールに設定すべきです。
10回、100回、1000回……と、リピートしてもらう――。ここまでたどり着かなければ、本当の意味で顧客との関係が形成されたとは言えません。